グアテマラ出張

 2025/02/11-2/17 @グアテマラ


新学術領域研究「暴れる気候」の活動計画を進めるため、古気候プロキシ年縞データ掘削およびマヤ文明勃興に関わる歴史資料収集、そして今後の研究方針の議論の目的でグアテマラへ。


2/11に日本を出発し、ロサンゼルス経由で2/11夜にグアテマラシティに到着。空港近くのホテルに1泊。(Aviancaのロサンゼルス~グアテマラシティの4.5hが水も有料のノーサービスでなかなかに辛かった)

グアテマラシティへ

翌2/12に北のペテン県のフローレスに向けて飛行機移動。朝6時の便に乗るために3時半頃にホテルを出発。

フローレスに着き、まずミッション1の世界遺産のティカル遺跡へ向かう。途中何回か下車しつつ車で北東へ1.5時間ほどの距離。ティカルは世界遺産というだけあってとても整備されており、回りやすい。ガイドも話しやすい方だった。

建造物のスケールが大きいせいでミニチュアセットみたいに見える

古代遺跡に行くことで、何をどう研究すべきかのインスピレーションが得られるというのは初めての経験だった。古典期のマヤ文明が崩壊(collapse)した理由としてはいくつかの説があり,気候変動はその一つであるが(e.g., Haug et al. 2003 Science),実際にマヤ地域がどういう気候・植生で,「文明の盛衰と気候変動」というテーマに対して気候のどういう振舞いを研究として考えれば良いのか,に関する感覚を得る事ができた.


ティカルで昼食を済ませてから移動。まずフローレスに車で戻り、別のワゴンに乗り換えて南西のサイアクチェ(Sayaxché)へ。サイアクチェは渡し場として発展した川沿いの町だそうで、フローレス側から町に入るには渡しを使う必要がある。いきなりの本格的な光景に興奮。

川と渡しの船(写真は朝).

16時前くらいに現地組が今回の採掘の拠点にしているサイアクチェのホテルに到着。この日は夕食を済ませて就寝。ちなみにシャワーのお湯がほとんど出ないという素敵仕様。

写真のビンはGalloというグアテマラで非常にポピュラーなビール.


2/13は6時から朝食を済ませて、朝からペテシュバトゥン(Petexbatún)湖の採掘現場を見学させていただく。サイアクチェからモーター付きボートに乗って、川の支流を1時間すこし遡上。

採掘現場は石油リグの小さい版、というイメージが近いかもしれない。小さい版と言ってもこれを日本から持ち込んで現地で組み立てて維持するのはとんでもないことだと直感するレベル。前日のトラブルのためにこの日の採掘はお休みだったが、採掘装置の説明を聞かせていただいた。

その後、アグアテカ遺跡に向けて出発(9時ころ?)。30分ほど川をさらに遡るがジャングルの木の枝をかき分けながらでないと進めなくなってくる.やっと到着したと思ったら,何もない河辺にボートを留めて斜面を上がっていく。(ここが遺跡の入り口だと知らないと素通りしそうなポイント)

アグアテカ遺跡は崖の上にある遺跡。ホエザルの鳴く熱帯雨林の中、崖になっている壁をぐるっと回って、2枚の壁の間の隙間を通ってから遺跡群を見学。ティカルと異なり道や解説がそこまで整備されておらず、自分たち以外の人もほとんど見かけなかった。

まさにarchaeological siteって感じですね

見学後ボートでペテシュバトゥン湖に戻り、湖畔のおしゃれなロッジ(Chiminos Island Lodgeという宿泊施設)で昼食を済ませて16時前くらいにホテルへ。近くのスーパーを散策し、トゥクトゥクに乗ってレストランに向かい夕食を食べて、帰りに新しくできたアイス屋でアイスを食べてホテルに戻る。

最近出来たらしい割としゃれたアイス屋。グアテマラは近年発展が著しいとのこと。

この日は皆さんと色々な話をし、疲れてきたので就寝・・・しかし,ここで問題発生。

夜中に目が覚めるとなぜか寒い。とりあえず2枚あるタオルケットのうちより厚手のものを被るが、今度はかなり発汗していることに気付く。何かがおかしい。特にお腹の具合がおかしい。そう言えば前日の夕食をあまり食べられなかったことを思い出す。食あたりか…?

翌朝は6時から朝食、その後採取した湖底の堆積物の後処理を見学させていただく予定だったのだが、全身が重く、部屋を出て2階から1階に降りるだけで厳しい。朝食なんてとても食べられないので、申し訳ないと思いつつも部屋で休むことに。下痢がひどい。

ここで「もしかしたらこれは熱中症ではないか」と思い当たる。症状に加えて
・ 高温多湿環境での連続的な運動
・ 無風に近い環境
・ 睡眠不足(飛行機移動+時差)
・ 暑熱順化が不十分(日本は冬)
間違いない。

熱中症だとなれば、安静にして水分補給をするしかない。この日は現地組の方に助けていただきながら、ひたすら水と電解質を補給して休むことに(ありがとうございました)。ふらつきは多少マシになったが夜になっても下痢はあまり改善しない。


翌2/14。フローレスに向けて戻る日。もともとは朝に出発してフローレス旧市街を散策する予定だったが、他にも体調がすぐれないメンバーもおり、10時にホテルを出発することに。それなりに体調が戻っていたので、採取した泥の後処理をすこし見せていただくことに。必要な装着を手作りしたり、一般に流通している資材を活用してコストを下げたりなど、溢れる創造性にテンションが上がりつつ出発の時間に。下痢も多少ましになり、フローレスへのワゴンでも堪えられるレベルに。空港横のカフェ?で時間を潰し、飛行機に搭乗。帰りはTagAirlinesという地方航空会社だったが、久々のプロペラ機だった。

グアテマラシティに戻って、スーパーで買い物をしてホテルで休息。体調が戻ってきて良かった。


翌2/15はグアテマラシティからロサンゼルスへ、さらにロサンゼルスから羽田へ。お腹も大丈夫そうで良かった。

帰りのAviancaは心の準備ができていた分恐れていたほどではなかった。(座席変更をしようとしたらひたすらにたらい回しされたのはどうかと思ったが)


良い経験ができた出張でした。

現地の方々、大変お世話になりました。ありがとうございました!

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