論文紹介 (Crameri et al. 2020 Nat. Comm.)
The misuse of colour in science communication
Crameri, F., Shephard, G. E., & Heron, P. J. (2020). The misuse of colour in science communication. Nature communications, 11(1), 5444.
この論文は普通の研究論文ではなくて,研究論文を書くための方法を論ずるタイプの論文である.具体的には,
・ 視覚的に正しいデータバリエーションを示し,複雑さを軽減し,色覚異常の人々にとって理解しやすいカラーマップに関する議論
が展開されている.
虹色のカラーマップや赤緑のカラーマップは「カラーユニバーサルデザイン」でないという認識が近年は広まってきているが,そのような(それらに限らないが)データを視覚的に歪めたり,色覚異常の人に読めないカラーマップの使用を避け,より適切なカラーマップの使用を呼びかけている.
短い論文ではない(10P)のでさっと読むというのは厳しいかもしれないが,考え方としてBOX 2, Fig. 3, Fig. 4あたりを眺めてみて,Fig. 6を頭の片隅に入れておく,というのは有益(少なくとも損はしない)のではないかと思う.
最近のジャーナルの投稿ポリシーを読むと,論文中の図がカラーユニバーサルデザインであることを推奨している場合が多くなっているので,仮に今は何もせずに済んでいたとしても,いずれ対応しなければいけなくなる日が来ると思われる.
なお,自分で作った図がカラーユニバーサルデザインと言えるかどうかは,スマートフォンのアプリで確認できる.またカラーユニバーサルデザインの図や掲示物を作るために推奨される配色を紹介しているウェブサイトもある.これらを利用するのが便利(私はそうしている).
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