Texas A&M大学 滞在

 2015/10-2015/11 @Texas A&M University (テキサス,アメリカ)


数物フロンティア・リーディング大学院(FMSP)の支援でテキサスA&M大学に1か月半ほど滞在し,その滞在の間にコロラド州ボルダーにあるNCARを訪問させていただいた.

10/5 東京→ヒューストン
11/4 ヒューストン→デンバー
11/8 デンバー→ヒューストン
11/17 ヒューストン→東京(11/18)

という旅程.

この記事ではでテキサスA&M大の滞在について記す.NCARでの滞在(11/4-11/8)についてはこちらの記事で.


2015/10-11の2か月間,Texas A&M大学のVisiting Scholarとして研究をさせて頂くことができた.受け入れ教員になっていただいたPing Chang教授,どうもありがとうございました.

こういう短期滞在では住む所を見つけるのに苦労するのが常なのだが,今回は研究室の学生の中で2階建ての物件に済んでいて,ちょうど2階部分の部屋が空いたのでそこをリーズナブルな値段で貸してくれる,という台湾からの学生の方がいたので,ありがたくその選択をさせていただいた.日本の家とは異なりとても広いし,キッチンや冷蔵庫,洗濯機,炊飯器,電子レンジなども使えて初日からとても助かった.シャワー&トイレも1階と2階で独立に付いていた.

ちなみに今回の滞在では日本から眼鏡を持ってくるのを忘れるというミスを犯し,コンタクトレンズを外すと何も見えない,という状態で1か月半を過ごした(案外何とかなった).


テキサスA&M大があるカレッジステーションはヒューストンから車で1.5-2時間ほどかかるので,事前にshuttleを予約して移動する(カレッジステーションにはイースターウッド空港という小さい空港があるが,車で移動した方が圧倒的に安い).

初日はイースターウッド空港までshuttleで移動.空港までルームメイトが迎えに来てくれた.多謝.メンタル的にも疲れたからか,着いて最初の週末は調子を崩してしまった.頭痛がひどく寝込んでしまった.(これは再現性があることが後々分かってくる)

おうち(1階)

住まいから大学へはバスで移動.通学パスのようなものを手に入れると区間内のバスは乗り放題となる(学生や教職員は無料ということなのだろうか).テキサスは特に車社会なので,歩いてどこかに移動するということはあまり現実的でない.オフィスまでは歩けなくはない(2kmくらい)が,結局歩いた事は1,2度しかない.

テキサスA&M大の構内.10月前半なのでまだ気温はかなり高いが,日本に比べて乾燥している

滞在序盤にまずセミナーをさせていただいた.中緯度大気海洋相互作用研究のターゲットを色々と考える上で,高解像度シミュレーションのデータを使えないか?という話になり,そのデータをコピーする作業などに取り掛かっていた.

研究室のフロアにあった格好いいパネル

滞在中の私のデスク

ディスカッション用の部屋

基本的に午前中の好きな時間に研究室に行って,暗くなる前に帰る,という生活をしていた.当時は対応しなければならないメールもそこまで多くなかったので,論文を書くための実験をして解析を進めつつ,早く帰って料理をしたり,広い家でくつろいだりもしていた.東京のワンルームの部屋*と違って,ベッドルームがそもそも広く,さらに1階には広いリビングがあり,大きなソファーセットがあるのだ.寛がない手はない.

*国交省が定める「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」では,単身者の住宅面積の基準は25m2である.我が家は当然それを満たしていなかった.学費も含めて親の援助でまともな生活が出来ている人も多かったんでしょうけれど.


テキサスA&M(の大気海洋系)には1,2週に1人くらいの頻度でセミナーに来られる方がおり,それらのセミナーにも毎回参加していた.Mojib Latifさんが来られて中緯度大気海洋相互作用に関する研究を紹介されていたのを覚えている.


滞在中は基本的に自炊(2020年代に入ってからと比較すると日米の物価差は圧倒的にマシだったが,当然気軽に外食しているとお金が足りない).歩いて15分弱ぐらいの所にスーパーマーケット(HEBというテキサスローカルなスーパー)があったので,そこで食材を購入して,料理して食べていた.ただ手に入る食材には限界があり,薄切り肉や魚介などはいまひとつ.

あとはTargetにもよく行った.TargetはIndyCar(当時はチップ・ガナッシのメインスポンサーがTargetだった)で知っているだけの存在だったので,最初に見た時は「あのマークだ!」とひそかにテンションが上がった.


近隣で手に入る以上に必要な物を買うときは,ヒューストンまで車で行って買う,という生活様式だった.私は車を持っていなかった(何なら当時は日本で通用する免許もなかった)ので,ヒューストンまで行く用事がある人に同乗させてもらう,ということになる.ルームメイトづてで週末にヒューストンに行く人を見つけて,何度か同乗をお願いした.カレッジステーションのアジアンスーパーマーケットはイマイチだったので,何回かヒューストンのアジアンスーパーマーケットまでに行って,魚やその他の食材を買った.

なお,4人くらいで長時間車に乗って話す,というシチュエーションが英会話として非常に辛い,ということを今回の滞在で初めて知った(今でもとても苦手).というのは,車内はノイジーなので聞き取りづらい上に表情も分からない場合があり,3人以上だと会話のテンポが落ちにくく付いて行くのがかなり厳しいのだった.

ヒューストンで買い物をしたアジアンスーパーマーケット

休日にどこかに出かけたいという場合にも,日帰りでヒューストンまで出るというのが定番だった.ヒューストンはとても大きな都市なので,行けば何らかのイベントがある.

ヒューストンの公園で行われていた野外フェス(?)

博物館@ヒューストン

気取ってみた写真@ヒューストン
確か博物館に行った時の写真


カレッジステーション最大のエンターテインメントはカレッジフットボールで(アメリカで最も一般的なエンタメと言っても良いかもしれない),人口10万強の街に8万人以上!を収容できるフットボールスタジアムがある,というのはアメリカならではと言えるのではないだろうか.最初にスタジアムを見た時には「こういう場所にもこんなスタジアムがあるのか」とおったまげた.

カイル・フィールド

ちなみに上の写真は試合日ではない.試合前日の夜にスタジアムに集まって盛り上がる,というイベントである.それにこれだけの数の人が集うのだから,いかにカレッジフットボールが大きな存在であるかが窺えるだろう.アメリカンフットボールのルールには明るくなかったのだが,もっと詳しければ・・・という残念さもあった.

ルームメイトはアジア人であるため,そこまでフットボールに興味はなく,休みの日にルームメイトの友達の家に集まる時は,ゲームをしたりカラオケ(昔の通販で売られていたカラオケセットのようなものを持っている人がいた)をしたりしていた.

インドアなひとたち


食事は基本自炊だったが,それでも研究室の方々と食事に行ったり,ルームメイトの友人たちと食事に行ったりした.

テキサスの料理というのは基本的に肉である.「テキサスバーベキュー」と聞くと日本人は日本的なバーベキューを想像するかもしれないが,牛肉などの肉を燻製してスライスし(所謂ブリスケット),ポテトサラダやピクルス,パンなどと一緒にプレートに乗せて食べる,というものである.(今では日本でもテキサスバーベキューの店があるらしい)

ラボのみなさんと

テキサスで食べたステーキ

テキサスバーベキューのお店


滞在中にハロウィンがあったので,仮装テーマパーク?のようなものに行ってみた.おそらくTexas Renaissance Festivalという場所.来場者も色々な衣装をレンタルすることができ,ルネッサンス風?の雰囲気を味わえる.やはり日本のテーマパークとは作りが違っていて,面白かった.

仮装集団

ターキーレッグ

テキサスには5週間ほど滞在していたので,上に書いた以外にも色々なことをやってみた.
空港近くにはジョージ・ブッシュ大統領図書館(テキサスらしい!)があり,色々な展示を見ることができた.

ジョージ・ブッシュ大統領図書館にて

10kmくらい離れた隣町のブライアンにはブライアン湖という開放的な場所があり,自転車を借りて(どうやって借りたのか忘れてしまったが,知り合いの知り合いみたいな人に一時的に借りたような記憶がある),カレッジステーションからサイクリングしたりもした.


日本を出発する時に荷物を少なくしたかったので,10月上旬のテキサスが30度以上(何なら40度近い日もあった)あるのに対して,11月のボルダーは日本の冬くらいの気温という事を認識しながら,冬用の上着を持っていかなかった(どこかで買うつもりだった).

カレッジステーションのモールの店なども少し見てみたが,安くて良い物が見つからなかったので,ヒューストン郊外のアウトレット(Houston Premium Outlets)に行って,ディスカウントされていた上着を買った.またカレッジステーションで靴を買ってみたが,ディスカウントされている靴を見つけてレジに持っていったら定価を請求されそうになった.油断ならない.

ヒューストンに行く際にはTX-6を通るのだが,2時間くらいかかるので,途中で休憩を挟みたくなる.アメリカのガソリンスタンドには必ずコンビニエンスストアが付いていて,飲み物や軽食を買うことが出来るのだが,ガソリンスタンドの中には馬鹿でかい売店(サービスエリア?)が付いているものがある.テキサスを拠点にするBuc-ee'sがまさにこのタイプで,食べ物は安くて美味いし,何なら土産もたくさん売られていて,気分転換にも良い.南部に行く際は是非Buc-ee'sに寄ってみる事をお勧めする.


滞在中に一度だけtornado warningが出た.午前4時くらいだっただろうか,ルームメイトに「tornado warningが出ている」と起こされて,一応避難しようということに.

どこに行くかと思えば,大学のいつもの建物だという.アメリカの家は頑丈ではなく,住んでいた場所は2-3階で地下室も無いので,それがベストな解であることは確かだった.竜巻の頻度が高い地域のビルは内廊下で廊下に窓のない作りになっており,ドアをしっかり閉めれば竜巻に対するシェルターになるのである.(結局その時は特に竜巻の被害はなかった)

あと,滞在中に持ってきた米ドルが足りなくなるという事態が起こった(当時はカードを使っていなかった)ので,両替できるところ(銀行)まで連れて行ってもらったりもした.



1か月半のアメリカ滞在は長いようで短かったけれども,学生の間にこのような経験ができたことは研究,そして研究以上の人生の経験として,日本では得難いものでした.今回の滞在でお世話になった方々,とくに滞在先のホストをして下さったPing Chang教授には,とても感謝しております.ありがとうございました.

Ping Chang教授と

Xiaohui Ma博士と(今は中国海洋大のProfessor)


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