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6月, 2025の投稿を表示しています

Stormtracks 2025 workshop出張 +α

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2025/6/12-6/21 @ローゼンダール&ベルゲン (ノルウェー) LMD@フランスへの出張からのつづき。 6/12に夜9時頃の便でCDGからベルゲンへ。ベルゲンの空港に23時台に着き,宿泊先へ。この日は寝るだけ. 13-14日はベルゲン大でワークショップ。研究の進捗などについて発表するとともに議論、交流を深めた。久々にフロイエンにも登った。 フロイエンから。いつもの風景感。おそらくベルゲンに来るのは7-8回目 ミニワークショップの風景 ノルウェーで夜にレストランでお酒を飲もうとすると物凄く高い(ビール1杯が最低2000円弱くらいする,しかもノルウェークローネは日本円に対してあまり高くなっていない通貨である・・・)。そしてスーパーではアルコール4.7%以下のお酒しか買えず平日の8時、土曜の6時までしか売られていない。それ以上強い酒は専売公社みたいなところ(vinmonopolet)に行く必要がある。 なので、免税でお酒が買える空港の免税店にはお酒を買い込む人が溢れている(深夜でも買えるというのも大きい)。しかし免税の範囲には制限があり、20%程度以上のお酒(要は蒸留酒)を買わない場合には4.7%以上(ワインなど)が3Lまで、4.7%以下(ビールやサイダーなど)が6缶まで(3L)と決まっている。やたら空港の免税店で3Lのパックワインを見かけるのはどうやらこれが理由らしい。 15日から20日はstormtracks2025 ( webpage )。 stormtrack workshopは今回で4回目。前回は3年前にフランスのオレロン島で開催され,私も参加した。 15日午前にベルゲンからフェリーに乗ってRosendalに移動。ホテルはとても素晴らしいロケーションで、食事もとても美味しかった。魚が多すぎると一部に不評?だったようだが、私としては「こんなに魚を食べさせてくれるのか」とむしろ大満足だった。食事は本当にうまかった。お腹にも明らかに良いしね。 Rosendal Fjordhotel。フェリーより この会議は5日間にわたって発表+ポスター+ディスカッションに、寝食も同じ場所という前回と似たタフなスタイル。博士の時の「アウェイ出張」にピッタリである。 学会会場。割とパンパン 食堂 発表風景(私) ローゼンダールは小さい街で周辺を山と小川に囲まれており、遅...

ENS-LMD出張

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2025/6/11-12 @ ENS-LMD (フランス) パリにあるLaboratoire de Météorologie Dynamique (LMD)のGwendal Riviére博士らを訪問し,ミニワークショップで発表+その後議論を行った.JAMSTECの山崎さんがGwendalさんに掛け合ってくれて実現したものに参加させていただいた.(ちなみにGwendalさんは前回のstormtrack workshopのオーガナイザーの代表を勤めてくださった方である) LMDはÉcole Normale Supérieure (ENS; 高等師範学校)に所属しており,Centre national de la recherche scientifique (CNRS; フランス国立科学研究センター)の管轄の組織である. 11日朝に羽田からパリへ。色々立て込んでいて発表資料が未完成となかなか切羽詰まっており,フライト中に仕事をするしかない状況だったが,3列並びの真ん中ながら窓側の隣がいないという僥倖で、発表資料が大方完成+他のことも少しできた。今までのフライトで一番仕事が捗ったと思う。 17時ころにCDG着。ターミナル1からターミナル3に移動し、RERのB線に乗って南下、メトロに乗り換えて15区のホテルへ。空港からモンパルナスまで40分くらい。 この日の最高気温は27℃くらいだったようだが、ヨーロッパにありがちな空調の効かない電車は暑い。Aulnay sous-Boisから先でどんどん混んできて、Gare du NordやChâtelet Les Halles辺りでは日本の感覚でも余裕で混雑。ラッシュアワーだったのかも。パリ市内はセーヌ川から見て南北で差があり、北側では治安が良くないと見たのだが、確かにGare du Nordまでの乗客とChâtelet Les Halles以降の乗客では明らかな差があった。 あとパリの地下鉄は全くバリアフリーではない(さながらbarrier fullyという感じ)。一部の大きな駅を除けば 乗り換えや出口に向かう道では大量に階段がありエスカレーターなどはない。あと路線によってはシステムがかなり古く、改修工事の告知なども出ていた。乗ったのは6,10,12号線のみだが、10,12号線は車両が小さい上にかなり古く(ドアを開けるのにレバーみた...

コラム紹介 (Savage and Yeh 2019 Nature)

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Novelist Cormac McCarthy’s tips on how to write a great science paper 研究論文ではなく,Nature誌の"Career Column"のコラム. 論文の書き方に関するTipsが記されている. ~~~~~ 本稿では,20年間にわたってサンタフェ研究所の科学者たちの論文執筆を指導し,理論物理学者リサ・ランドールや物理学者ジェフリー・ウェストなど,著名な研究者たちもその恩恵を受けてきた,『ザ・ロード』『ノー・カントリー』で知られるピューリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーが,科学論文執筆術についてアドバイスしてくれるというものである. 最も重要な原則は「シンプルに保ち,一貫性のある魅力的なストーリーを語る」こと. **文章構成の要点** ミニマリズムで明確性を追求する. 句読点,単語,文,段落すべてにおいて,本来のメッセージを保持できるなら削除せよ テーマと2~3の要点を決定する. これらが論文全体を貫く一本の糸となる 1段落1メッセージ. 各段落は疑問を提起し,アイデアへと進展させる **文体と表現** 短く直接的な文を心がける. 複雑な構文や接続詞(「しかし」「したがって」)を最小限に抑える 読者の流れを阻害しない. 脚注は思考の流れを断つため避ける.専門用語の乱用も禁物 過度な装飾を避ける. 形容詞は必要な場合のみ使用.同じ内容を3通りで表現することは不要 **実践的テクニック** 文法より理解を優先する. 完璧な文法よりも,読者に理解されることが重要 カンマは話し言葉の休止を示す. 文章を声に出して読み,自然な休止点を見つける 具体的な言語と例を選ぶ. 抽象的な「任意の色の球体」より「赤い風船」「青いビリヤードボール」が効果的 **執筆プロセス** 完成後は必ず音読し,信頼できる編集者の意見を求める. 査読者のコメントには、キプリングの言葉を念頭に置く. 「全ての人が疑っても自分を信じよ.しかし,彼らの疑いにも配慮せよ」 **本質的なメッセージ** マッカーシーの指導は,科学論文も優れた物語と同様、読者を引きつける力を持つべきだという信念に基づいている.技術的正確性と読みやすさの両立こそが,真に価値ある学術的コミュニケーションを生み出すのである. 文章を生き生きとし,理解...

「ハビタブル日本」のロゴができました

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「ハビタブル日本」のロゴができました. (学術変革領域研究 (A) 「ハビタブル日本:島嶼国日本の生存基盤をなす大気・海洋環境の持続可能性」)  https://hotspot3.aori.u-tokyo.ac.jp/news/notice/2025/06090740393549/ いくつかのバージョンを作りましたが,そのうち主要?なものを示しておきます.

コラム紹介 (Zolghadr-Asli, 2025 Nature)

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What an angry exchange with a reviewer taught me about arrogance and humility 研究論文ではなく,Nature誌の"Career Column"のコラム. 本稿では,ある研究者が論文査読プロセスにおける手厳しいフィードバックへの感情的な対応とその結果としての論文リジェクトという経験を通じて,学術研究における傲慢さの危険性と謙虚な姿勢の重要性を学んだ過程について記述されている. 論文を書いて投稿するというプロセスを始めたばかりの頃は,特に同じようなことを感じると思う.今まさに査読者に「怒り」を感じている方,これから感じるであろう方にとって,きっと有益だろう. 2017年,テヘラン大学で水工学の修士号を取得した筆者は,研究者として順調なスタートを切り,複数の共著論文を発表するなど,自身の能力に強い自信を持っていた.そのような状況下で,ある著名な学術雑誌に論文を投稿した. 数ヶ月後,査読結果が通知された.多くの査読者からは肯定的な評価や建設的な提案が寄せられたが,一名の査読者(以下では査読者2とする)からは,論文の特定部分に対して厳しい指摘がなされた. 筆者は当初,フィードバックに基づいて論文を修正する意向であった.しかし,査読者2のコメントのトーンや,筆者が重要と考える貢献点が看過され,筆者が些末と判断する点が指摘されたと感じたことから感情的になった.その結果,筆者は自身の正当性を主張するため,詳細かつ長文の反論を作成した.その反論は,建設的な対話よりも自己の主張を優先する防衛的かつ攻撃的な色合いを帯びたものとなった. 共著者や指導教官からはトーンの緩和を助言されたものの,筆者は反論をほぼ修正せずに提出.結果として再度の修正要求を受け,最小限の修正で再提出したが,最終的に論文はリジェクト(不採択)となった. このリジェクトという結果は,筆者にとって大きな転機となった.「議論に勝利する」という短期的な目標に固執するあまり,フィードバックを真摯に受け止め,建設的な対話を行うことの重要性を見失っていたことを認識した.筆者の対応が,査読者の抵抗感を増大させた可能性も否定できない. この経験から筆者が得た重要な教訓は以下である. ・ 批判的フィードバックは,研究を改善するための機会と捉...