投稿

総観気象学基礎編 改訂版

イメージ
気象大学校の「総観気象学」の授業資料をもとに,気象大の北畠先生が執筆された「総観気象学基礎編」の改訂版が公開されました. https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/expert/index.html 日本語で読むことが出来,学部生くらいから読めて非常に勉強・参考になる素晴らしい資料です.(ちなみに基礎編に加えて応用編・理論編があります) なお,改訂版の3.4 ジェットストリーク (P87-88)において,Okajima et al. (2021)の曲率渦度とシア渦度の分離に関する紹介が追加されています. ご紹介いただきありがとうございます!

2025 Workshop on Ocean and Atmosphere Simulations

イメージ
 2025/03/27-3/28 @桜美林大学 プラネット淵野辺キャンパス 2025 Workshop on Ocean and Atmosphere Simulations に参加し,ポスター発表を行った. コロナ前に"OFES Workshop"として開催されていたワークショップである. 淵野辺(相模原市)なので宿泊を伴わない出張.(町田から横浜線に乗換という経路だが,2日目は横浜線が遅れて開始に間に合わない人が出た) 立派な会議室を使わせていただきました ポスターでは思った以上に多くの方に来ていただき,有意義な議論ができた. 初日夜の懇親会の後はカラオケへ.皆さんも楽しそうでした. ワークショップをオーガナイズして下さった皆さま,ありがとうございました. 写真は 研究会ページ より

論文紹介 (Simpson et al. 2025 Sci. Adv.)

イメージ
Confronting Earth System Model trends with observations Simpson, I. R., Shaw, T. A., Ceppi, P., Clement, A. C., Fischer, E., Grise, K. M., ... & Po-Chedley, S. (2025). Confronting Earth System Model trends with observations.  Science Advances ,  11 (11), eadt8035. ESMが観測されるトレンドのうち何を再現していて何を再現していないのか、がよく纏められた、非常に勉強になる論文(研究者向けだが)。特にTable 1. また,discrepancyについてあり得る理由についての整理: 1) The simulated response to the observed external forcings could be in error. 2) Internal variability in the models may be misrepresented (e.g., if internal variability is too small, the distribution from a model may not encompass the observed trend even if the forced trend is well represented). 3) The observation-based external forcings prescribed within the model may be misrepresented. 4) The observational record may underestimate or lack uncertainty information and may contain unresolved or undiagnosed biases. 5) There could be issues with the methods that are used to perform the comparison against obs...

春セミナー 2025

イメージ
 2025/3/22-3/23 @田沢湖 Climateの春セミナーで田沢湖へ。(この前に1泊2日の札幌出張を挟んだが記事は省略) 実は秋田県に行くのはこれが初めて。 いわゆるミニ新幹線にも初めて乗った。規則上は新幹線ではないので在来線と並走できているのだろう。 セミナーの会場は田沢湖駅近くの公民館を使わせて頂いた。 セミナーでは3班に分かれて論文紹介をしたが、どの班の発表もかなりしっかりと準備されていて勉強にもなった. 田沢湖公民館 夏季および冬季気候や気象に関する研究会議 終了後に田沢湖駅から宿へ移動。やはり今年は雪の量が多い。 夜の間に雪が降ったようだ    帰りに少しだけ田沢湖の湖畔に立ち寄った。 田沢湖畔バス停の近くから 湖畔のおしゃれ感のあるカフェに立ち寄ってのんびりなどした。途中披露宴の前撮り?のような人たちがカフェに来た。 湖は1周20km強なので、夏にサイクリングをすると気持ち良さそうだなぁと思った。乳頭温泉も含めてまた来てみたい。

ArCS-II—Norway Joint Workshop on storm tracks and atmosphere-ocean interactions

イメージ
2025/3/9-3/16 @ベルゲン大学(ノルウェー) ArCS-II—Norway Joint Workshop on storm tracks and atmosphere-ocean interactionsに参加し,口頭発表を行った. 3/9に 新潟から帰宅し 家事を済ませ、夜に羽田からヘルシンキへ。 今回は現実的な値段で利便性の高いフライトがなく(高いものならあったが…)、ヘルシンキで12時間乗り換えという旅程。 FINNAIRでは北極航路の場合に「北極飛行証明書」なるものを配っているようだ。 順調に朝4時前にヘルシンキに到着。さすがにこの時間には電車が動いていないので、空港で少し時間を潰して5時前に電車に乗る。 ヘルシンキ中央駅(Helsingfors)までは30分弱。今回は1dayチケット(Zone ABC用; 12EUR)を買った。空港~中心部の往復に加えて2回くらい乗れば元が取れる値段設定。3-4時間散策できるなら絶対にこっちのほうが良いと思う。 荷物を一旦ピックアップすることを選ばなかったので身軽だったのだが、3月のフィンランドが寒いということをあまり考えておらず(気候の研究をしているはずなのに)、東京と変わらぬ服装で早朝の町に出るとものすごく寒い。そしてまだ5時半前なので日の出はまだかなり先。。空港のエスプレッソスタンドにでも居れば良かった。。同じ便で見かけたY先生はもっと効率的な便で移動しているのだろうか。ベルゲン直行ではなくトロムソに一旦行くともっと早く着いたらしいが… 5時半前のヘルシンキ中央駅。人はほとんどいない。 6時を過ぎると人が増えてくる。コーヒースタンドもオープン(写真は北欧を代表するコーヒースタンドチェーンのRobert's Coffee)。 フィンランド語はノルウェー語とも似ておらず意味を推定することすら難しく、中央駅の目の前のカフェでも店員によっては英語が通じなかったりする。その一方で空港などの場所にはたまに日本語が書いてある。日本からの旅行者が割と多いんだろう。 (北欧ではそこら中にあるEspresso House.結局ここが開くのを待って利用した) カフェで仕事をしたり散策したり。明るくなってきても店が開いていないので歩くだけだが、HSLのday passでスオメンリンナ島(世界遺産;要塞だった島)行のフェリ...

「ハビタブル日本」 2024年度領域全体会議

イメージ
 2025/3/5-3/9 @新潟大学 五十嵐キャンパス 学術変革領域研究「ハビタブル日本」 R6年度領域全体会議に参加するために新潟へ。 ソウル大学から帰ってきて 家事と夕食を済ませてから夜に出発。 ポスター発表が100件近くあり、盛り上がっていた。LOCの方々、ありがとうございました。 会議の模様はハビタブル日本の 活動報告ページ へどうぞ. ちなみに途中で日本海を見に行きました.砂! 割とはっきりと佐渡が見えるということに驚いた.

ソウル大出張

イメージ
2025/3/3-3/5 @ソウル大学校(韓国) ソウル大学校(SNU)のSeok-Woo Son教授に招いていただき、セミナーをさせていただくことに。 3/3朝に羽田からGimpoへ。出発の朝に3/3が3/1の振替で休日であることを知る。確かに3/1のデモに関するお知らせを見た気がする。日本以外の祝日を把握するのは難しいが、グローバルに働くには必要なことだなといつも思う。 前回のSNU出張ではちゃんと下調べをしたが、今回は研究と家事に時間を使いたかったので、K-ETAの申請も忘れていたがとくに問題はなく。前回よりGimpoの入国審査の混雑もマシだった。 ソウルの地下鉄も、前回乗って覚えているので大丈夫だろうということで路線図もダウンロードせず来てしまったが、何とかなった(所見だとどこで降りてどっち向きに乗れば良いか割と分かりにくい)。チケットを買う時にSeoul National Universityみたいな名前の駅がたくさんあるのにも注意する必要がある。 前回も使った、5号線から2号線に乗り換える途中にあるパン屋で今回も昼食のパンを買った。3つで3000ウォンと貧しい日本人にも優しい価格である。(ソウルメトロはloopがあるのもあって、個人的には東京よりも名古屋っぽいイメージがある) 泊まったのは前回と同じくHoam Faculty House。とても静かで広く良い宿泊施設で、多くのオフィスがあるエリアまで歩いて30分くらいかかる(しかも坂)なのは健康に良いと考えて。今回は暑くないのでじつに良い運動である。 着いてから萎える知らせがあったが気を取り直し、SNUの別のグループ(Kugさんラボ)にいる岩切さんに少し会ってから、夕方にSonさんラボへ。カフェで話をさせていただき,その後焼肉をいただく. Departmentのある建物の1階にあるカフェ。とても良い感じのカフェで、ケーキの種類が豊富なのが売りらしい。ホールケーキが売られているのが新鮮だった。 キャンパス内には10件くらいカフェがあるらしい(しかも特定のチェーンに占められている訳ではない)。 聖水洞とかに行けばもっとカフェが多いんだろうな。 3/4の朝にSonさんのグループのグループミーティングに参加。発表したのは3人だったが皆さんとてもアクティブで優秀だった。研究だけでなく、研究室運営など色々な面で学ぶこ...

グアテマラ出張

イメージ
 2025/02/11-2/17 @グアテマラ 新学術領域研究「暴れる気候」の活動計画を進めるため、古気候プロキシ年縞データ掘削およびマヤ文明勃興に関わる歴史資料収集、そして今後の研究方針の議論の目的でグアテマラへ。 2/11に日本を出発し、ロサンゼルス経由で2/11夜にグアテマラシティに到着。空港近くのホテルに1泊。(Aviancaのロサンゼルス~グアテマラシティの4.5hが水も有料のノーサービスでなかなかに辛かった) グアテマラシティへ 翌2/12に北のペテン県のフローレスに向けて飛行機移動。朝6時の便に乗るために3時半頃にホテルを出発。 フローレスに着き、まずミッション1の世界遺産のティカル遺跡へ向かう。途中何回か下車しつつ車で北東へ1.5時間ほどの距離。ティカルは世界遺産というだけあってとても整備されており、回りやすい。ガイドも話しやすい方だった。 建造物のスケールが大きいせいでミニチュアセットみたいに見える 古代遺跡に行くことで、何をどう研究すべきかのインスピレーションが得られるというのは初めての経験だった。古典期のマヤ文明が崩壊(collapse)した理由としてはいくつかの説があり,気候変動はその一つであるが(e.g., Haug et al. 2003 Science ),実際にマヤ地域がどういう気候・植生で,「文明の盛衰と気候変動」というテーマに対して気候のどういう振舞いを研究として考えれば良いのか,に関する感覚を得る事ができた. ティカルで昼食を済ませてから移動。まずフローレスに車で戻り、別のワゴンに乗り換えて南西のサイアクチェ(Sayaxché)へ。サイアクチェは渡し場として発展した川沿いの町だそうで、フローレス側から町に入るには渡しを使う必要がある。いきなりの本格的な光景に興奮。 川と渡しの船(写真は朝). 16時前くらいに現地組が今回の採掘の拠点にしているサイアクチェのホテルに到着。この日は夕食を済ませて就寝。ちなみにシャワーのお湯がほとんど出ないという素敵仕様。 写真のビンはGalloというグアテマラで非常にポピュラーなビール. 2/13は6時から朝食を済ませて、朝からペテシュバトゥン(Petexbatún)湖の採掘現場を見学させていただく。サイアクチェからモーター付きボートに乗って、川の支流を1時間すこし遡上。 採掘現場は石油リグ...

論文が出版されました (Sekizawa et al. 2025 SOLA)

イメージ
共著者として執筆した論文が、Scientific Online Letters on the Atmosphere (SOLA)誌より出版されました。 北海道沖の北西太平洋で夏季に頻繁に発生する下層雲について,気象庁メソスケールモデル(MSM)がこれらの雲をどれだけ正確に再現・予測できるかを評価した論文です.MSMは下層雲の予測にある程度の精度を示すものの,不正確な霧のシミュレーションや雲量の過小評価といった課題があることが明らかになりました. 論文情報 Sekizawa, S., Okajima, S., Miyamoto, A., Miyasaka, T., Kawai, H., Koike, M., & Nakamura, H. (2025). Summer low clouds off southeast of Hokkaido simulated in the Japan Meteorological Agency Meso-Scale Model under different synoptic conditions. SOLA, 21, 24-33.  Journal Site

論文が出版されました (Satoh et al. 2025 JClim)

イメージ
共著者として執筆した論文が、Journal of Climate誌より出版されました。 冬季の北太平洋における南北テレコネクションパターンのエネルギー収支解析を包括的に行うことで,テレコネクションパターンの卓越性について議論した論文です. 論文情報 Satoh, R., Y. Kosaka, H. Nakamura, A. Miyamoto, S. Okajima: Energetics of Atmospheric Meridional Teleconnection Patterns over the North Pacific in Winter, Journal of Climate, 38(2), 611-626. Journal Site

論文紹介 (Fonseca et al. 2023 Geosci. Comm.)

イメージ
A physical concept in the press: the case of the jet stream Fonseca, X., Miguez-Macho, G., Cortes-Vazquez, J. A., & Vaamonde, A. (2022). A physical concept in the press: the case of the jet stream.  Geoscience Communication ,  5 (3), 177-188. Geoscience CommunicationはEGUの科学コミュニケーションに関する雑誌である。 この論文では、メディアにおいて気候科学コミュニケーションにおいて重要な物理的概念をどう伝えるか?というトピックについて,スペインのメディアにおいて ジェット気流を扱った例を挙げて論じている. この方法論はあくまで一例なので,ジェット気流という概念をユニバーサルにうまく説明できる方法がこの論文中に書かれているという訳ではない. 本論文を読んで勉強になったと感じたのは特に前半で,気候科学とリテラシー,メディアの役割に関する議論がカバーされている(新規の視点という訳ではないけれども).環境および気候リテラシーは政策やイノベーションの原動力であるけれども,伝統的な教育分野に比べ,メディアを通じた"インフォーマルな教育" の在り方はあまり検討されてこなかった,との指摘がある.近年は気候変化・変動に関して用いられる語が変化しているきらいがあるが(climate crisisとか tipping pointとか),それらが一般市民の意識を高めるためのレトリックである一方で,気候リテラシーの向上に直結しているわ けではない,という指摘はその通りだと感じる.

AGU24

イメージ
 2024/12/8-12/15 @Washington DC(アメリカ) アメリカ地球惑星科学連合(AGU)の年次大会、AGU24に参加(12/9-12/13)。 2022年以来 . 今回は口頭・ポスター発表が1件ずつにセッションコンビーナ(A079 "Explaining and Predicting Mid-latitude Weather, Climate and Ocean Variability and Change Through Air-Sea Interactions and Teleconnections")があったが,全て初日という素敵な日程. 2年前に参加した際にもそうだったのだが,AGUのような大きな学会に来ると,国際的な流れに対する己の感覚のずれを思い知らされる(結果として焦りを覚える). 私の研究に関連した大きな流れとしては,やはりML/DLの研究・セッションが非常に多くなっているということと,extreme eventsの研究のウェイトが高まっているな,というのが第一の感想だった. 2万人くらい参加する巨大な学会である. この「学会での心構え」のようなものがなかなか面白かった. 少し時間のあったタイミングでワシントンDCを散策.天気の悪い中で歩き回ると風呂が恋しくなる. セッションコンビーナの仕事としては,提案・宣伝・招待講演者の選定・口頭orポスターの決定・プログラム作成など色々あるが,限られたスロットの口頭発表を選ぶのが大変だなと感じた.何かを選ぶ際にジェンダーや世代・地域などのバランスを考えることが望ましいが,今回はHotspot2 international workshop "Mid-latitude Ocean-Atmosphere Interactions: Their Processes and Predictability"でのSOCとしての経験が活かされた. アメリカは遠く年末で大変だが,AGUにはやはり参加するべきだと今回も感じた.

筑波大学に異動しました

イメージ
 2024年12月より,筑波大学 生命環境系に異動しました.

ACM2024

イメージ
 2024/11/18-11/20 @つくば The 4th Asian Conference on Meteorology(ACM)2024 jointly organized with The 3rd Workshop on the A3 Foresight Program に参加(ポスター発表+実行委員会として運営). 気象学会秋季大会に引き続いてのつくばでの学会となった.開催中に紅葉が一気に進んだのが印象的だった. プレナリーセッション 運営は大変だったが(実行委員長と比べるとnegligibleだろうが・・・),フォーサイト絡みで以前お話させて頂いた方にもたくさんお会いでき,とても有意義だった. こういう国際会議ではオフィシャルイベントで若手同士が知り合う機会があまりないので,是非そういう企画をしたいということで,今回は学会中(昼休み)のネットワーキングイベントを企画して開催した. ネットワーキングイベントのフライヤー 昼休みの開催にはやはり難しさがあったが,それでもそれなりの数の方に参加していただき, 交流ができたという声があって一安心.